音楽において、日本人は三拍子が苦手だとよく言われる。
その根拠は…?
実は、「なるほど!」と思えるような答えに出会ったことはない。
リズムの感じ方・捉え方については、「農耕民族」と「騎馬民族」では違いがあり、「農耕民族」である日本人は二拍子、と何となく理解させられてはいるのだが…。
ただ、少し違った視点から、こんな考察に出会ったことがあり、「それはあるかもしれない」と感じたことはある。
あるピアニストの方の考えだ。
①1、2、3を音にすると「いち、に、さん」となる。
(この読み方、言い方が三拍子に上手くはまらないのではないか)
②さらにローマ字表記にすると「ichi – ni – san」となる。
③繰り返すにしたがって、「3」の語尾「n」が、なんとも「1」に戻ろうとする力に「ブレーキ」をかけてしまって、いまいちスムーズに「1」に戻れない…
のではないか、ということらしい。
そこで、この方は、「さん」を「さ〜」と言ってみるアイデアを示している。
個人的には、「ひ〜、ふ〜、み〜」とやった方が…と思ったのだが…。
「解決法」は様々考えらると思うし、こうした(ある種の)試行錯誤は続いていくことだろう。
どのような方法が「正解」か、などということを追求することはないと思う。
人それぞれの「解決法」を見つけ出すことが大切だ。
しかし、何より大切なのは、この方が指摘しているように、
「それぞれの言語の持つ特徴が、もしかすると、密接にその言語を使う人種の音楽性にも深く関与しているのかも」しれないということを、私たちは頭の隅にでもおいておく必要がある、とうこと。
「拍子」の話とは少し違うが…、
例えば、若かりしころ、四分音符が連なった曲を演奏していて、「音が短い」と指摘されたことが度々あったが、後に「いち、にっ、さん、しっ」という語感をそのまま音符に反映させていたのだ、と気付いたものだ。
(今の教科書にはどのように書いてあるかは知らないが、四分音符は「タン」、八分音符は「タ」と書かれ、そう教えられてきたことも影響していたのだろうと思う。)
「第2回」につづく