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ブルックナー『交響曲第4番』:下野竜也 指揮/広島交響楽団

2021年3月29日 記

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下野竜也と広島交響楽団によるブルックナーの交響曲シリーズ第2弾。

ひと言で言い表すのは難しいのですが、とても「人間味あふれる」ブルックナーでしょうか…? 第1弾の『交響曲第5番』(これは会場でも聴きました)の時も同じように感じました。

「自然や神を賛美した」と言われるブルックナー。聴く側はそこ(演奏)に崇高なものを求めて、そこに神を見ようとするかもしれませんが、この下野&広響の演奏に接すると、「人間ブルックナー」が現れてくるように思えるのです。ブルックナー自身が朴訥と、少しばかり不器用に(言うまでもないことですが、演奏は決して不器用ではありません、念のため)何かを語っている(自然に、神に…?)かのような…。

これまで接してきたいくつかの演奏とは全く違います。かと言って、決して奇をてらったものでもありません。あくまでも真摯に、正直に、純粋に作品に向き合った演奏だと思っています。

そう言えば、以前、朝比奈隆やチェリビダッケを例に『信仰と音楽』について書いたことがあります。その最後に記した朝比奈の言葉を、下野&広響の演奏は思い出させてくれます。

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