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自信

自分がやってきたこと、やっていることに自信が持てた瞬間というのが何度かある。そのひとつが、3年前ジェイガーの『シンフォニア・ノビリッシマ』を指揮したとき。

低音群から始まる第二主題(フーガのところ)、この5小節の主題を私は思い切りレガートで吹くよう指示した。

この曲、アメリカ人が作曲した純粋なオリジナルだがタイトルはイタリア語。「何か隠されているな」と思っていたのだが、件の第二主題、私はグレゴリオ聖歌のような雰囲気を感じたのだ。直感。もちろん、そこまでの曲の流れから変化をつける必要があるとも判断した上で。

入りの5小節を思い切りレガートで、次の声部が入ってきたらノンレガートで、と指示。奏者(特にこの曲に親しんでいた世代の)は大変だったと思う。

しかし、ある客演奏者の方からいただいた言葉が自信となった。

その方は大学時代に故フェネル氏の指揮でこの曲を演奏したことがあるそうで、「フェネルさんも、ここはレガートで吹かなくてはならない、と同じことを言ってましたよ」と練習後に話して下さった。フェネル氏がどのような意図でそう演奏したのかまでは分からなかったが、自信になったのは確かだ。

つまりこういうことだ。「みんながそうやっているから」(もちろん、様式上そうあるべきというものは除く)や.「ちょいと違うことやってみよう」ということではなく、楽譜をいかに読んで演奏に反映させるか、ということに少し自信が持てたということ。まぁ、その演奏が上手くいったかは別にして…。

(2018年5月6日)

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