中田延亮指揮・九州管楽合奏団の演奏会、期待以上だった
中田氏は吹奏楽の指揮が初めてとのこと、それだけに期待も大きかった
最近は実力者が吹奏楽を指揮することが多くなり、本当の意味で「音楽」に浸ることができる機会が増えたことは嬉しい。
(もっとも、昭和の時代から、朝比奈隆、山田一雄、秋山和慶と吹奏楽と深く関わってきた指揮者は結構いたのだけれど。)
今回の中田氏の起用は大成功なのでは。
音楽に向き合う、という意味で中田氏は特別なことは何らしていないと思う(もちろん相当な準備はされたはずだが)。
まず感じたのは、「頭のいい指揮者だなぁ」「バランス感覚に優れ造形術?に長けた人だなぁ」
だからといって、生まれてくる音楽は決して分析的ではないし、理屈っぽくもない。
相当緻密に計算されてはいるし、情報量の多い演奏だったことは確かなのだが、それを「自然に」聴かせるところが中田氏の力量なのだろう。
今日の曲目、下手すると前半で「もう勘弁してください」となること必至。しかし、「膨満感」を感じることはなかった。
(2017年5月14日)