ベートーヴェンはやはり偉大過ぎる作曲家。
ただ、好きか嫌いかを尋ねられたら、「どちらでもない」と答えそうな私(マスコミがよくやる世論調査の回答に、「どちらでもない」というのを見ると腹を立てる私だが…)。
人物としての評価は正直分からない。
好きな作品もあれば肌に合わない作品もある。
そのベートーヴェン、本当に苦悩の人だったのだろうか、と疑ってしまうことがある。
その生き様が、伝えられているほどのものだったのか…。
これについては、以前、「自称秘書が云々」(「生かすも殺すも曲名(タイトル)次第…?」参照)と書いたことがあるので改めて書くことはしないが、作品リストを眺めていると、意外に「短調」を主調とする作品が少ないことに気付く。
交響曲、協奏曲、弦楽四重奏曲、ピアノソナタ、ヴァイオリンソナタ…。
どのジャンルを見ても「長調」を主調とする作品が圧倒的に多い(恐らく気付いている方が多いとは思うが…)
もちろん、短調だから苦悩、長調だから陽気などいうものではないことは分かっている。
やはり、「運命(あまりそうは呼びたくないが)」や「第九」、「悲愴」、「熱情」などの印象が強いからなぁ…。
何時ぞやのテレビでも、ベートーヴェンの音楽は苦悩に始まり云々、と決めつけたような紹介がされていたし…(全てがそうです、とは言い切れないと思うのだが)
それでも、やはりベートーヴェンは偉大過ぎると言いたい。
まあ、「音楽に自己の精神を注入したとんでもない奴」と言う人もいるが(確かに…)。
その時代、ベートーヴェンが最良、最高の作曲家というわけではなかったかようだし、バッハだってそうだった。
それが死後200年近く経ってこのように聴かれ、論じられ、そして、誰かの心と懐を潤して…。
当のご本人、今の状況をどのようように見るだろう?
苦悩してしまうかも…
(2015年6月9日)